こんにちは、KAZ(@kaz_lifesurf)です。
英検1級とTOEICでどちらが難しいのか、疑問に思われている方が多いのではないかと思います。
この記事では英検1級とTOEICの問題内容や難易度の違いについて解説しています。
まず先に結論となりますが、英検1級とTOEICを比較すると以下のことが言えるでしょう。
英検1級とTOEICの比較
- 英検1級はTOEIC950点に相当
- 就職や大学受験で役に立つのはTOEIC
- 難しさでは英検1級に軍配
上記の理由については記事の方で触れていきますね。
この記事を読むことで英検1級とTOEICの違いについてはよくわかるはずですよ。
それでは始めていきましょう。
英検1級をTOEICで換算してみた(CEFR対照表)
まずは英検1級がTOEICスコアで何点に換算されるのか見ていきましょう。
先に結論だけを言ってしまうと、英検1級はTOEICで950点に相当するようです。
ヨーロッパにおいて外国語の習熟度を測る指標として一般的に用いられているCEFRにおいて、英検1級とTOEICの関係性について示されています。
CEFRとはCommonEuropean Framework of Reference for Languages(ヨーロッパ言語共通参照枠)の略で、2001年に欧州評議会(Council ofEurope)という組織によって開発された第二言語の習熟度に対する共通の理解を得る目的で開発された枠組みです。
まず英検となりますが、公式には1級合格者はCEFRでいうところの「C1」レベルに相当し、さらに満点である3400点を取得した人であればC2の実力があることが示されています(ただしC1の扱いとなっている)。
そして今度はTOEICとなりますが、公式には945点以上のスコア(リスニング490点~、リーディングが455点~)を取れる人が「C1」レベルに相当することが示されています。
つまり、TOEICで945点以上のスコアである950点が取れるレベルに達している人であればC1レベル=英検1級と同等レベルと言えることになります。
もちろん上記はあくまで全体の平均から見えてくるデータとしての数値でしかなく、個人差は当然あるはずですので絶対的なものではありませんが、自身の英語力が現在どの地点にいるのかを推し量る上では十分参考になる指標と言えるでしょう。
英検1級とTOEICの試験内容の違い
ここからは英検1級とTOEICの試験内容の違いについて見ていきます。
英検1級とTOEICは試験内容において多くの点で異なっていますが、簡単にまとめると以下のようになるかと思います。
試験内容 | 英検1級 | TOEIC L&R |
単語 | あり | あり |
リーディング | あり | あり |
リスニング | あり | あり |
英作文 | あり | なし |
面接 | あり | なし |
試験時間 | 一次試験:100分 二次試験:15分程度 | 120分 |
主催 | 日本英語検定協会 | ETS |
受験料 | 12,600円 | 7,810円 |
英検1級とTOEICの最も大きな違いとしては、英作文や面接といったアウトプットの試験があるかどうかです。
両試験とも単語、リーディング、リスニングの力を問う点では共通していますが、英作文と面接に関しては英検1級にしかありません。
また、英検1級は一次試験に加えて二次試験(面接)が用意されていますが、TOEICでは1回きりの受験となりますので、この点でも大きな違いと言えますね。
ここからは英検1級とTOEICの試験内容で共通している単語、リーディング、そしてリスニングについて、さらに深堀りして見ていきます。
①単語
まずは英検1級とTOEICで出題される単語の違いについてです。
結論から言ってしまうと英検1級の方がTOEICに出題される単語よりも遥かに難しいです。
英検1級は政治、経済、歴史、科学、生物などジャンル問わず様々なアカデミックな語彙が出題されるのに対し、TOEICは実際のビジネスで使われるような実用性の高い語彙が中心を占めます。
そもそも英検1級に受かるくらいの語彙力があるのであれば、TOEICにおいて知らない単語はほぼ出てこなくなるのが事実であり、語彙の難易度においては両者に大きな隔たりがあります。
英検1級は英字新聞や洋書に出てくるような普段あまり見かけないような単語も多く、TOEICのように日常生活で目にする機会が多い単語は逆に扱っていません。
僕の体感としては英検2~準1級に出題される単語のレベルがTOEICのそれに相当するのかなと思っています。
②リーディング
ここからは英検1級とTOEICに出題されるリーディング問題の違いについてです。
リーディングに関しても英検1級の方がTOEICよりも遥かに難しい内容が出題されます。
英検1級は読まなければいけない英文の量がTOEICよりも多く、かつ難易度の高い単語も多く含まれているので、まともに読みこなして回答するためにはある程度の語彙力が必要となります。
しかし、TOEICは英文の難易度自体は英検1級に劣るものの、英文の内容に対して問われている設問に対し、情報を素早く収集する処理能力が問われます。
英検1級は英文全体を理解出来なくても文脈で回答出来ることが多い一方、TOEICは英文全体を隅々まで読んで正確に理解する必要があるので同じリーディングとは言え、その難しさの質が違うと言えます。
僕個人が思うこととしては、英検1級の長文問題を高得点でパスすることが出来る人であれば、TOEICは模試などを活用して解く練習を軽く積むだけで一気にハイスコアを狙えるイメージがありますね。
③リスニング
ここからは英検1級とTOEICに出題されるリスニング問題の違いについてです。
まず英検1級になりますが日常英会話やビジネス英語に加え、ナレーション、状況別問題、そしてインタビューと実に多岐にわたります。
何か特定のジャンルに縛られることがなく、あらゆるトピックについて英語で話されている内容を聞き取る必要があるため、普段から海外ニュースなどを通じて時事的な情報をピックアップすることで対策することが出来ます。
一方でTOEICはもっぱらビジネスシーンにおける会話が中心となり、英検1級で問われる日常的な会話やアカデミックな内容の聞き取りが問われることはありません。
しかし、TOEICは会話内容を隅々まで正確に聞き取らないと回答できない問題が出題されることがあり、全体像を理解するだけで回答できることが多い英検1級とは問題の質が違うと言えます。
僕としては英検1級とTOEICのどちらのリスニングが難しいかというと、これは人によって個人差があるのかなと思いますね。
英検1級とTOEIC/どっちが就職や大学受験で役に立つ?
ここからは英検1級とTOEICのどっちが就職や大学受験で役に立つのか見ていきましょう。
まず先に結論となりますが、英検1級よりもTOEICの方が労働市場における価値は高いと言えます。
その理由としては、単純に英検1級よりもTOEICの方が知名度が高いからです。
求人情報専門の検索エンジンとして知られるindeedにおいて「英検1級」と「TOEIC」それぞれで検索してみるとわかりやすいです。
indeedで英検1級のワードで検索すると約1,000件程度の求人案件が該当しました。
一方、TOEICのワードで検索すると約23,000件と英検1級の20倍以上の求人案件が表示される結果となりました。
この結果からわかることとしては、労働市場においては英検1級よりもTOEICの方がはるかに高い評価を得ているということです。
僕もこれまで数々の求人に応募し、実際に面接を多く受けてきましたが
TOEICは知っているけど英検1級は知らないねぇ
という面接官は意外に多く、英検の名前は知っているが何がどうすごいのかについては全くの無知な人がほとんどです。
実際には英検1級は非常に難しく、TOEIC以上に実用的な英語が学べると主張する人が多いものの、現実として労働市場ではあまり役に立ちません。
英検1級とTOEICのどちらが役に立つのか、という話をするのであれば断然、TOEICでハイスコアを狙った方が資格としてはかなり使えます。
英検1級とTOEIC/まとめ
本記事では英検1級とTOEICの違いを比較してまとめてみました。
あらためて本記事のおさらいをしておきましょう。
英検1級とTOEICの比較
- 英検1級はTOEIC950点に相当
- 就職や大学受験で役に立つのはTOEIC
- 難しさでは英検1級に軍配
英検1級とTOEICは日本においては最も知られている英語の資格試験ですが、やはり問題の内容や受験の目的が異なるため、上手く使い分けて受験していく必要があります。
就職や大学受験の準備をしている方であればTOEICの方が役に立ちますが、英語を教える教育業界に携わっていきたい方であれば英検1級の方が評価される傾向が高いです。
ぜひ、自身のキャリアの方向性に合わせて取得していくようにしましょう。